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からてんじく
ふりがな文庫
“
唐天竺
(
からてんじく
)” の例文
「いったん買って出るといったからにゃ、おれもむっつり右門じゃねえか。まさかに
唐天竺
(
からてんじく
)
までもおっ走ったんじゃあるめえよ」
右門捕物帖:08 卍のいれずみ
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
「また海へお出になるのでございましょうね。このたびは、どちらへ?
唐天竺
(
からてんじく
)
でございますか。それとも、
南蛮
(
なんばん
)
とやら——。」
釘抜藤吉捕物覚書:12 悲願百両
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
しかし、こうして覚えのある足に馬力をかけてさえいれば、たとえ安達ヶ原であろうと、
唐天竺
(
からてんじく
)
であろうと、
怯
(
おく
)
れを見せるがものはない。
大菩薩峠:37 恐山の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
唐天竺
(
からてんじく
)
まで荒しまわっても、一代では五十万両の金をつかめねえ。……
廈門
(
アモイ
)
の居酒屋で問わず語らずの金三郎の身の上話。
顎十郎捕物帳:20 金鳳釵
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
「これは驚いた、これほどの猛毒は、日本はもとより
唐天竺
(
からてんじく
)
にも聞いたことがない。
附子
(
ぶし
)
や
鴆
(
ちん
)
といったところで、これに比べると知れたものだ」
銭形平次捕物控:011 南蛮秘法箋
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
▼ もっと見る
「へえへえこれは有難いことで」駕籠屋喜んで両手をこすり、「親分さんのお供なら、
唐天竺
(
からてんじく
)
へでも参ります。さあさあどうぞお乗んなすって」
剣侠受難
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
「国は多いよ、海は広いよ、けれど何千何万里、
漕
(
こ
)
ぎ
巡
(
まわ
)
ってみたって、日本のような国は、ありはしない。
唐天竺
(
からてんじく
)
といったって、ありはしない」
新書太閤記:06 第六分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「どうして
貴方
(
あなた
)
はそんなにまあ
唐天竺
(
からてんじく
)
とやらへでもお
出
(
い
)
で遊ばすように遠い処とお思いなさるのでございましょう。」
薬草取
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
外
(
ほか
)
のものはとにかくと致して日本一お江戸の名物と
唐天竺
(
からてんじく
)
まで名の響いた錦絵まで御差止めになるなぞは
散柳窓夕栄
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
外のものは兎に角と致して日本一お江戸の名物と
唐天竺
(
からてんじく
)
まで名の響いた
錦絵
(
にしきえ
)
まで御差止めに成るなぞは
三月三十日
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
あるいは金毛九尾の狐が、
唐天竺
(
からてんじく
)
からやって来て、大阪市長にばけて出ておるのかも知れない。
空中征服
(新字新仮名)
/
賀川豊彦
(著)
この世知辛い世に顔や縹致で女房を貰う者は、
唐天竺
(
からてんじく
)
にだってありはしない。
深川女房
(新字新仮名)
/
小栗風葉
(著)
早い話が、理屈で世間がどうか、なるならもう、とうに人間はみんな
幸福
(
しあわせ
)
になっているだろうと思われるんだ。日本にゃあ、神の道があるし、
唐天竺
(
からてんじく
)
にゃあ
孔子
(
こうし
)
、
孟子
(
もうし
)
、お
釈迦
(
しゃか
)
さんもおいでなのだ。
雪之丞変化
(新字新仮名)
/
三上於菟吉
(著)
「いやじゃねえ、いやじゃねえ。そりゃ行けとおっしゃりゃ
唐天竺
(
からてんじく
)
にだって行きますがね。こんなに夜ふけじゃ、ご門もあいちゃいませんぜ」
右門捕物帖:05 笛の秘密
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
従って京の一千五百里もあてにならぬことの骨頂だが、靺鞨国というイヤにむずかしい国名はあんまり見かけないが、
唐天竺
(
からてんじく
)
のことでもあるかな。
大菩薩峠:33 不破の関の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
「それは申すまでもございませんよ。お前さんの
縹緻
(
きりょう
)
と来た日には、
唐天竺
(
からてんじく
)
にもないということで」
娘煙術師
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
唐天竺
(
からてんじく
)
か、いや違った、やまと、もろこしですか、いぎりす、あめりかか、そんな、まだるっこしいことはおいて、お願いです、二の橋か、一本松へ連れてって頂きたい。
雪柳
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
諸行
(
しょぎょう
)
無常は浮世のならい
某
(
それがし
)
の身の
老朽
(
おいく
)
ち行くは、さらさら
口惜
(
くちお
)
しいとも存じませぬが、わが国は
勿論
(
もちろん
)
唐天竺
(
からてんじく
)
和蘭陀
(
オランダ
)
におきましても、
滅多
(
めった
)
に二つとは見られぬ珊瑚
玳瑁
(
たいまい
)
ぎやまんの
類
(
たぐい
)
散柳窓夕栄
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
「行きましょう。こうなりゃ、
唐天竺
(
からてんじく
)
までも参りましょう」
銭形平次捕物控:065 結納の行方
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
桜田門なんて、まるで
唐天竺
(
からてんじく
)
のような気がする。
丹下左膳:03 日光の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
まず、あれを一緒に連れ出して、名古屋見物から、伊勢参り、京大阪、四国九州、お前さんとならば
唐天竺
(
からてんじく
)
でもどこでもいいから、ひとつ引廻して来てくれまいか。
大菩薩峠:29 年魚市の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
「さようにござります。中仙道へ参ろうと、東海道へ参ろうと、ことによったら
唐天竺
(
からてんじく
)
までお捜しなすっても、ちょっとあいつめを見つけること困難でござりましょうよ」
右門捕物帖:08 卍のいれずみ
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
唐天竺
(
からてんじく
)
の果てまでもという気分になりたがるものです。
大菩薩峠:34 白雲の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
唐
常用漢字
中学
部首:⼝
10画
天
常用漢字
小1
部首:⼤
4画
竺
漢検準1級
部首:⽵
8画
“唐天”で始まる語句
唐天鵞絨