古事記こじき)” の例文
古事記こじき神代しんだいまきに、豐玉姫とよたまひめからおうまれになられたお子様こさまを、いもうと玉依姫たまよりひめ養育よういくされたとあるのは、つまりそうった秘事ひじ暗示あんじされたものだとうけたまはります。
しかし、たまには三原山記事を割愛したそのかわりに思い切って古事記こじき源氏物語げんじものがたり西鶴さいかくの一節でも掲載したほうがかえって清新の趣を添えることになるかもしれない。
ジャーナリズム雑感 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
由来、わが国の歴史としては、中古ちゅうこ以前のものに、古事記こじき日本紀にほんぎなどがあるが、中古以後にいたっては、北畠親房卿きたばたけちかふさきょうせんせられた神皇正統記じんのうしょうとうきのほかにこれというものもない。
梅里先生行状記 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
くさむしりに庭掃除にはさうぢぐらゐはとて、六十をとこのする仕事しごとぞかし、勿躰もつたいなや古事記こじき舊事記くじき朝夕あさゆふらきて、万葉集まんえふしふ不審紙ふしんがみをしたるを、泥鉢どろばちのあつかひにがすことひとらねど
暁月夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
かういふふうにほのめかしてさとされたのだ、と古事記こじきといふ書物しよもつにさへつたへてゐます。
歌の話 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)