取込とりこ)” の例文
丈「おや/\清水の息子さんか、此間こないだは折角おでだったが、取込とりこんでいて失敬を云って済みません、何かえ清次さんのおつれかえ」
さゝくたらしを、ほう/\といてうまがつて、燒豆府やきどうふばかりを手元てもと取込とりこみ、割前わりまへときは、なべなか領分りやうぶんを、片隅かたすみへ、群雄割據ぐんゆうかつきよ地圖ちづごとしきつて、眞中まんなかうめざうもつを
麻を刈る (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
丈「なんだか知れないが病人があって取込とりこんでるから、お目にかゝる訳にはいかないから、断れよ」
家内という奴が、くい意地にかけては、娘にまけない難物で、ラジオででも覚えたんでしょう。たままりも分らない癖に、ご馳走を取込とりこむせつは相競って、両選手、両選手というんですから。
菊あわせ (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
つらながさは三じやくばかり、あごやせ眉間尺みけんじやく大額おほびたひ、ぬつとて、薄霧うすぎりつゝまれた不氣味ぶきみなのは、よくると、のきつた秋祭あきまつり提灯ちやうちんで、一けん取込とりこむのをわすれたのであらう、寂寞ひつそりした侍町さむらひまちたゞ一箇ひとつ
月夜 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
取込とりこむ時引外ひきはずしたままの掛棹かけざおが、斜違はすかいに落ちていた。
二、三羽――十二、三羽 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)