卯平うへい)” の例文
卯平うへい薄暗うすぐらうちなかたゞ煙草たばこかしてはおほきな眞鍮しんちう煙管きせる火鉢ひばちたゝいてた。卯平うへい勘次かんじとはあひだろくくちきかなかつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
雲霧は——ははあ、もう牢番の交代時刻か——卯平うへいがやって来たな、と直感した。
雲霧閻魔帳 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「それじゃ卯平うへいさん掻き立ててくんな」
八ヶ嶽の魔神 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
しな病氣びやうきあんずるほかかれこゝろにはなにもなかつた。その當時たうじには卯平うへい不平ふへいをいはれやうといふやうな懸念けねん寸毫すこしあたまおこらなかつたのである。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
野郎やらうこんなせはしいときころがりみやがつてくたばるつもりでもあんべえ」と卯平うへい平生へいぜいになくんなことをいつた。勘次かんじあとひといた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)