卜筮ぼくぜい)” の例文
つぎに卜筮ぼくぜいの迷信について一言する必要があるが、余が先年書いた『迷信解』の中に説明してあるから、その文を再録することにする。
迷信と宗教 (新字新仮名) / 井上円了(著)
文学士斎藤勤には、「中世における陰陽学おんようがく卜筮ぼくぜいの研究」の一著がある。それだけで、大学を出てまもなく夭折ようせつしてしまった。
火を溝渠こうきよの中に焚きて食を調とゝのへたり。手に小鼓タムブリノりて、我等を要して卜筮ぼくぜいせんとしつれど、馭者は馬にむちうちて進み行きぬ。
十種に餘る学問技術を身につけていたと云われ、医道、天文、悉曇しったん相人そうにん、管絃、文章、卜筮ぼくぜい、占相、舟師、絵師、験者げんざ、持経者等々の道に練達してい
少将滋幹の母 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
又或は凝る氣を生じて、神とか佛とか基督とか、或は其より下つて牛鬼蛇神の類の如きもの、巫覡ふげき卜筮ぼくぜい方鑑はうかんの道、其の樣なことに心を委ぬるやうになるのもある。
努力論 (旧字旧仮名) / 幸田露伴(著)
たとえば、儒者が易経えききょうを講ずれども、ただその論理を講ずるのみにして、卜筮ぼくぜいもてあそぶを恥ずるが如し。
物理学の要用 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
凶の籤にして中に大病あり命にはさはりなし、などいへる文句あり、善く当時の事情に適中し居たり。かかる事もあるによりて卜筮ぼくぜいなどに対する迷信も起るならん。(四月二十一日)
墨汁一滴 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
相手は「まあ卜筮ぼくぜいよりは骨相のほうがましだろう」と言っているようであった。
自由画稿 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
だから「諸国銘葉しよこくめいえふ」の柿色の暖簾のれん、「本黄楊ほんつげ」の黄いろい櫛形の招牌かんばん、「駕籠かご」の掛行燈かけあんどう、「卜筮ぼくぜい」の算木さんぎの旗、——さう云ふものが、無意味な一列を作つて、ただ雑然と彼の眼底を通りすぎた。
戯作三昧 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
つぎに今日、多く日本に行われておるものは、人の吉凶禍福を占うことであって、すなわち卜筮ぼくぜい、人相見の類であります。
妖怪学一斑 (新字新仮名) / 井上円了(著)
卜筮ぼくぜいを信じ、父母の大病に按摩あんまの説を信じて草根木皮を用い、娘の縁談に家相見かそうみの指図を信じて良夫を失い、熱病に医師を招かずして念仏を申すは阿弥陀如来あみだにょらいを信ずるがためなり。
学問のすすめ (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
だから「諸国銘葉めいよう」の柿色の暖簾のれん、「本黄楊ほんつげ」の黄いろい櫛形くしがた招牌かんばん、「駕籠かご」の掛行燈かけあんどう、「卜筮ぼくぜい」の算木さんぎの旗、——そういうものが、無意味な一列を作って、ただ雑然と彼の眼底を通りすぎた。
戯作三昧 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
決して卜筮ぼくぜいを取らないことにしているそうです
三国志:09 図南の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
また、卜筮ぼくぜい、予知法のごときは、間接に種々の部門に関係を有するも、直接に関係する部門なきをもって、純正哲学の一門を設けてその中に属す。
妖怪学講義:02 緒言 (新字新仮名) / 井上円了(著)
ある迷信家が卜筮ぼくぜい者につきて、自己の生命を予知せられんことを請いたれば、筮者判断して曰く、『今より幾年の後、某月某日に必ず死すべし』と。
迷信解 (新字新仮名) / 井上円了(著)
右のごとく、妖怪はたいてい内外両界相合して生ずるものなれども、なかんずく卜筮ぼくぜい、予言のごときは、外界の事情と内界の作用の相関するものとす。
妖怪玄談 (新字新仮名) / 井上円了(著)
卜筮ぼくぜい、人相、九星きゅうせい、方位のごとき観理開運に関する諸術、ならびに鬼神、霊魂、天堂、地獄のごとき死後冥界めいかいに関する諸説、またみな妖怪の一種に属するなり。
妖怪学講義:02 緒言 (新字新仮名) / 井上円了(著)
以上は、偶合論より次第に説き去り説ききたりて、卜筮ぼくぜい、方位、五行、九星のことに及ぶ。今、これを一結するに当たり、偶合のなんたるを明示せざるべからず。
妖怪学 (新字新仮名) / 井上円了(著)
俗に「当たるも八卦、当たらぬも八卦」というの類にして、卜筮ぼくぜいをもって吉凶を卜すると同一理なり。
妖怪学 (新字新仮名) / 井上円了(著)
つぎに、迷信中の利あり害あるものを挙ぐれば、卜筮ぼくぜい、人相、家相のごときものであろう。
迷信と宗教 (新字新仮名) / 井上円了(著)
第四種(卜筮ぼくぜい編)易筮えきぜい亀卜きぼく銭卜ぜにうら歌卜うたうら太占ふとまに口占くちうら辻占つじうら兆占ちょうせん夢占ゆめうら御鬮みくじ神籤みくじ
妖怪学講義:02 緒言 (新字新仮名) / 井上円了(著)
巫覡ふげき、神降ろし、人相、墨色すみいろ九星きゅうせい、方位、卜筮ぼくぜい祈祷きとう、察心、催眠、その他諸幻術
妖怪学 (新字新仮名) / 井上円了(著)
また、マジナイなどもいたってすくなく、病気はすべて医者に見せて薬を与えてもらうようになっている。かく申すものの、人相、家相、卜筮ぼくぜいなどを信ずるものが全くないではない。
迷信と宗教 (新字新仮名) / 井上円了(著)
巫覡ふげき、神おろし、人相見、墨色すみいろ卜筮ぼくぜい、予言、祈祷きとう、察心、催眠、その他諸幻術
妖怪研究 (新字新仮名) / 井上円了(著)
巫覡ふげき、神降ろし、人相見、墨色すみいろ卜筮ぼくぜい、予言、祈祷きとう、察心、催眠、その他諸幻術
妖怪玄談 (新字新仮名) / 井上円了(著)
(六)卜筮ぼくぜい御鬮みくじ、人相、家相、鬼門、方位、九星きゅうせい墨色すみいろ等を信ぜぬこと。
迷信解 (新字新仮名) / 井上円了(著)
つぎに第三種の例を挙ぐるに、卜筮ぼくぜい、予言、神知、偶合ぐうごう等の類にして、外界の事情と内界の精神作用の相合して生ずるものをいう。しかれどもこれ、ただ大体についてその別を立つるもののみ。
妖怪玄談 (新字新仮名) / 井上円了(著)
いかに卜筮ぼくぜいに長ずる人といえども、これを知ることはできません。
妖怪学一斑 (新字新仮名) / 井上円了(著)
第七、卜筮ぼくぜい御鬮みくじのこと。
迷信解 (新字新仮名) / 井上円了(著)