いきおひ)” の例文
いきおひと力に附いてゐる喜太郎にしては、親分の評判などは、どうでもいゝ問題だつたにしても、改めてかう訊かれると、さすがにヅケヅケしたことも言へません。
いま數分すうふんならざるに、群獺ぐんだつたちま競逐きそひおうて、いきおひけず、執得とらへえすなはちけんず。鯔魚しぎよゑがくものは徐景山じよけいざんなり
聞きたるまゝ (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
「何だ大きな声して——幾歳いくつになると思ふ」と云ひさまね起きたる剛造のいきおひ
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
くるしいのでをもがいて身躰からだうごかすとたゞどぶん/\としづむでく、なさけないとおもつたら、うち母様おつかさんすはつてらつしやる姿すがたえたので、またいきおひついたけれど、やつぱりどぶむ/\としづむから
化鳥 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)