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前褄
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まへづま
ふりがな文庫
“
前褄
(
まへづま
)” の例文
「何しろ、大變な女でした。
縊
(
くび
)
り殺されても、
前褄
(
まへづま
)
をピタリと合せて、ふくら
脛
(
はぎ
)
も見せないんだから、良いたしなみでせう」
銭形平次捕物控:307 掏られた遺書
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
袂
(
たもと
)
へ
辷
(
すべ
)
つて
宙
(
ちう
)
に
留
(
と
)
まつた、
大切
(
たいせつ
)
な
路銀
(
ろぎん
)
を、ト
懷中
(
ふところ
)
へ
御直
(
おんなほ
)
り
候
(
さふら
)
へと
据直
(
すゑなほ
)
して、
前褄
(
まへづま
)
をぐい、と
緊
(
し
)
めた。
魔法罎
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
八五郎は
前褄
(
まへづま
)
を直して、十手を打ち込んでお待ち遠樣とも言はずに平次の待つてゐる路地へ出ました。
銭形平次捕物控:287 血塗られた祝言
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
袂
(
たもと
)
を、はつと
亂
(
みだ
)
すと、お
納戸
(
なんど
)
の
其
(
そ
)
の
扱帶
(
しごき
)
で
留
(
と
)
めた、
前褄
(
まへづま
)
を
絞
(
しぼ
)
るばかり、
淺葱縮緬
(
あさぎちりめん
)
の
蹴出
(
けだし
)
が
搦
(
から
)
んで、
踏出
(
ふみだ
)
す
白脛
(
しらはぎ
)
を、
草
(
くさ
)
の
葉
(
は
)
の
尖
(
さき
)
で
危
(
あやふ
)
く
留
(
と
)
めて……と、
吹倒
(
ふきたふ
)
されさうに
撓々
(
たわ/\
)
と
成
(
な
)
つて、
胸
(
むね
)
を
反
(
そ
)
らしながら
浅茅生
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
頬の堅さがほぐれて、自分の端たない樣子を耻ぢるやうに
前褄
(
まへづま
)
を合せたりしました。
銭形平次捕物控:072 買つた遺書
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
▼ もっと見る
その部屋の眞ん中に、座布團を半分敷いて、好い年増が引つくり返り、首に赤い
扱帶
(
しごき
)
を卷いたまゝ、腰から下は、
前褄
(
まへづま
)
をきりゝと合せて、
寸毫
(
すんがう
)
の亂れもないのが不思議に目立ちます。
銭形平次捕物控:307 掏られた遺書
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
娘はさすがに極りが惡かつたものか、床の上へ起き直らうとしましたが、
眩暈
(
めま
)
ひでもしたものか、あわてて
前褄
(
まへづま
)
を掻き合せて
俯向
(
うつむき
)
になつてしまひました。どこかひどく痛む樣子です。
銭形平次捕物控:229 蔵の中の死
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
女はさう言ふうちにも、肌を入れて
前褄
(
まへづま
)
を直しました。
銭形平次捕物控:007 お珊文身調べ
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「胸から
前褄
(
まへづま
)
へ、かなりの血だ」
銭形平次捕物控:180 罠
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
前
常用漢字
小2
部首:⼑
9画
褄
漢検1級
部首:⾐
13画
“前”で始まる語句
前
前後
前途
前方
前垂
前刻
前様
前栽
前屈
前掛