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兼坊
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けんばう
ある
夏の
日盛りに、
二人して、
長い
竿のさきへ
菓子袋を
括り
付けて、
大きな
柿の
木の
下で
蝉の
捕りくらをしてゐるのを、
宗助が
見て、
兼坊そんなに
頭を
日に
照らし
付けると
霍亂になるよ
小六は
自分の
所有物を
兄が
無斷で
他に
呉れてやつたのが、
癪に
障つたので、
突然兼坊の
受取つた
帽子を
引つたくつて、それを
地面の
上へ
抛げつけるや
否や、
馳け
上がる
樣に
其上へ
乘つて