ぱち)” の例文
「正直なところを申上げますと、すみませんが、パイ軍曹どののいうことは、すべてうそぱちでありまして、ソノ……」
地底戦車の怪人 (新字新仮名) / 海野十三(著)
糸の切れた奴凧やっこだこのように、なぜそうからみ付くんだよ。(旅人に。)まあ、あなたから……。こんながらッぱちのサアビスじゃあお気に入りますまいけれど……。
影:(一幕) (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
文代は薄々うすうす明智がいるなんて、うそぱちだと感づいていたけれど、さも気掛りらしく、尋ねて見る。
吸血鬼 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
「それは敬礼で買うとは云わねえ。やれ×××××とか、やれ×××××だとか、いろんな勿体もったいをつけやがるだろう。だがそんな事はうそぱちだ。なあ、兄弟。そうじゃねえか?」
将軍 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
浮世絵師うきよえしが夢に見そうないい女で、二十しっぱちあぶらの乗り切った女ざかり、とにかく、すごいような美人なのが、性来せいらい侠気きょうきわざわいして、いつの間にかこうして女遊人に身を持ち崩し
魔像:新版大岡政談 (新字新仮名) / 林不忘(著)
ガラっぱちなおせいも、昂奮こうふんした顔色だった。
工場新聞 (新字新仮名) / 徳永直(著)
こんなことがうそぱちでいえるものですか。
増長天王 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
鍵を渡した代償に、この病院を出すというが、それはうそぱちだということがよく読めた。それでは大損だった。それにもう一つ鍵を渡したくない理由があった。
鍵から抜け出した女 (新字新仮名) / 海野十三(著)
俗名はおつや、芸名は金八きんぱち、あだ名はがらッぱち又はがらきん……。しインチキだと思召おぼしめすなら、念のために役場へ行って、戸籍の謄本とうほんをお取りください。あはははははは。
影:(一幕) (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
丁度今から八年前、貴様も知っている通り、俺はちっとばかり店の金を遣い込んで、いたたまれず逃げ出したが、それというのも、思いに思った満代さんを、貴様に取られたやけっぱち
悪魔の紋章 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
ガラっぱちのおせいは、あけすけだ。
工場新聞 (新字新仮名) / 徳永直(著)
爺やは平気な顔でうそぱちを云っている。
魔術師 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)