人士じんし)” の例文
建築家けんちくか勿論もちろん、一ぱん人士じんしへず建築界けんちくかい問題もんだい提出ていしゆつして論議ろんぎたゝかはすことはきわめて必要ひつえうなことである。假令たとひその論議ろんぎ多少たせう常軌じやうきいつしてもそれ問題もんだいでない。
建築の本義 (旧字旧仮名) / 伊東忠太(著)
ただしこれは、里のうわさと、何かにつけ、老公の健康を案じる一部人士じんしの取沙汰にすぎない。
梅里先生行状記 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
余は人間にあとう限りの公平と無私とを念じて、栄誉ある君の国の歴史を今になお述作しつつある。従って余の著書は一部人士じんしの不満を招くかも知れない。けれどもそれはやむを得ない。
餘震よしん恐怖きようふせるため、消防しようぼう十分じゆうぶん實力じつりよく發揮はつきすることが出來できなかつたとは、しば/\專門せんもん消防手しようぼうしゆから述懷じつかいであるが、著者ちよしや此種このしゆ人士じんし餘震よしん誤解ごかいしてゐるのを、もつと遺憾いかんおもふものである。
地震の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
藤田嗣治はオカッパ頭で先ず人目をくことによってパリ人士じんしの注目をあつめる方策を用いたというが、その魂胆こんたんによって芸術が毒されるものでない限りは、かかる魂胆は軽蔑さるべき理由はない。