“二通(につう)” の例文
文字(もじ)はやがて耳(みゝ)の側(わき)に恐(おそ)ろしき聲(こゑ)もて咡(さゝや)くぞかし、一通(いつゝう)は手(て)もとふるへて卷收(まきをさ)めぬ、二通(につう)も同(おな)じく三通(さんつう)四通(しつう)五六通(ごろくつう)よりは少(すこ)し顏(かほ)の色(いろ)かはりて見(み)えしが、八(はつ)、九(く)、十通(じつゝう)、十二通(じふにつう)
軒もる月 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
目元(めもと)に宿(やど)れる露(つゆ)もなく、思(おも)ひ切(き)りたる決心(けつしん)の色(いろ)もなく、微笑(びせう)の面(おもて)の手(て)もふるへで、一通(いつゝう)二通(につう)八九通(はつくつう)、殘(のこ)りなく寸斷(すんだん)に爲(な)し了(をは)りて、熾(さか)んにもえ立(た)つ炭火(すみび)の中(なか)へ打込(うちこ)みつ打込(うちこ)みつ
軒もる月 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
目の前に散乱(ちりみだ)れたる文(ふみ)をあげて、「やよ殿、今ぞ別れまいらするなり」とて、目元に宿れる露もなく、思ひ切りたる決心の色もなく、微笑の面(おもて)に手もふるへで、一通(いつゝう)二通(につう)八九通(はつくつう)
軒もる月 (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)