上流じょうりゅう)” の例文
ずいぶん上流じょうりゅうまで行った。実際じっさいこんなに川床かわどこたいらで水もきれいだし山の中の第一流だいいちりゅう道路どうろだ。どこまでものぼりたいのはあたりまえだ。
台川 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
炭焼君すみやきくんの家で昼の握飯にぎりめしを食って、放牧場ほうぼくじょうはしから二たび斗満上流じょうりゅう山谷さんこくを回顧し、ニケウルルバクシナイに来ると、妻は鶴子をいて駄馬だばに乗った。貢君みつぎくん口綱くちづなをとって行く。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
其の弁舌の秀でたる、大いに公衆の尊敬を蒙り、啻に非常の名誉と非常の金銀を得るに止らず、或は爵位をも博し得て富貴ふうきふたつながら人に超え、社会しゃかい上流じょうりゅうの紳士に数えらるゝや必せり
松の操美人の生埋:01 序 (新字新仮名) / 宇田川文海(著)
「ここら、岩もやわらかいようだな。」と云いながらすなおに私たちに貸し、自分はまた上流じょうりゅうなみあらいところにあつまっている子供こどもらの方へ行きました。
イギリス海岸 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
水馬演習すいばえんしゅうだ。むこがわへ行こう。」こう云いながら、そのまっ白なイギリス海岸かいがん上流じょうりゅうにのぼり、そこから向う側へおよいで行く人もたくさんありました。
イギリス海岸 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
それは白とねずみいろのしまのある大理石だいりせき上流じょうりゅうに家のないそのきれいなながれがざあざあったりごぼごぼいたりした。嘉吉かきちはすぐ川下かわしもに見える鉱山こうざんの方を見た。
十六日 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
(あっ、こっちですか。今日は。ご飯中はんちゅうをどうも失敬しっけいしました。ちょっとおたずねしますが、この上流じょうりゅうに水車がありましょうか。)わかいかばんをって鉄槌かなづちをさげた学生だった。
十六日 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
(そこの岩にありしたか。)(ええ海百合うみゆりです。外でもとりました。この岩はまだ上流じょうりゅうにも二、三ヶしょ出ていましょうね。)(はあはあ、出てます出てます。)学生は何でももう早く餅を
十六日 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
はじめはこの前のわんのところだけおよいでいましたがそのうちだんだん川にもなれてきて、ずうっと上流じょうりゅうなみあらのところから海岸かいがんのいちばん南のいかだのあるあたりへまでも行きました。
イギリス海岸 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
うしろでだれかこごんで石ころをひろっているものもある。小松ばやしだ。んでいる。このみちはずうっと上流じょうりゅうまで通っているんだ。造林ぞうりんのときはなえや何かを一杯つけた馬がぞろぞろここを行くんだぞ。
台川 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)