三時みとき)” の例文
そしてたしかに三時みときは経ったと思われる足駄あしだの歯跡が、通りから裏口の方へ点々として続いているのが、遠くから藤吉の眼にはいった。
この日の大火は、物見の松と差向う、市の高台の野にあった、本願寺末寺の巨刹おおでらの本堂床下から炎を上げた怪し火で、ただ三時みときが間に市の約全部を焼払った。
朱日記 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
ロレ 此上このうへは、そっと墓所はかしょまでかねばならぬ。この三時みときあひだに、ヂュリエットはさまさう。始終しじゅうをロミオにらせなんだとおりゃったらさぞわしうらむであらう。
「ほほほ。あらたまっていうから、どれほどむずかしい頼みかと思ったら、いっそ気抜けがしちまったよ。二時ふたときでも三時みときでも、あたしの体でりる用なら気のすむまで、ままにするがいいさ」
歌麿懺悔:江戸名人伝 (新字新仮名) / 邦枝完二(著)
服毒後三時みときの間には、必ず死ぬものと恐れられている毒薬です。私は思わず嘆息しました。そしていつ頃飲んだのかと聞いたのです。お父様をお呼びする一時いっときばかり前に飲んだという返事です。
ウニデス潮流の彼方 (新字新仮名) / 橘外男(著)
二時ふたとき三時みときはぢ外聞ぐわいぶんおやにはへられたものならず
別れ霜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
ヂュリ 殿御とのごぢゃ、わるうてならうか! あゝ、わがつま、どのしたすべッこうせうぞ、つい三時みときほど連添つれそうたつまくちきずだらけにしたおまへを? とはひながら何故なぜころしたおのれ