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いっすい
ふりがな文庫
“
一穂
(
いっすい
)” の例文
うしろの床には、
伊弉諾尊
(
いざなぎのみこと
)
、
伊弉冊尊
(
いざなみのみこと
)
の二神を
祀
(
まつ
)
って、そこにも
一穂
(
いっすい
)
の
神灯
(
みあかし
)
と、
一瓶
(
いっぺい
)
の
神榊
(
みさかき
)
と、三宝には餅や
神酒
(
みき
)
が供えられてあった。
新書太閤記:02 第二分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
一穂
(
いっすい
)
の
春灯
(
しゅんとう
)
で豊かに照らされていた六畳の
間
(
ま
)
は、陰士の影に鋭どく二分せられて
柳行李
(
やなぎごうり
)
の
辺
(
へん
)
から吾輩の頭の上を越えて壁の
半
(
なか
)
ばが真黒になる。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
その杭の上にささやかな
龕
(
がん
)
を載せて、浮世の波の押寄せる道の辻に立てて、かすかな
一穂
(
いっすい
)
の
燈明
(
とうみょう
)
をかかげようと念じていたことも、今となってはそれもはかない夢であった。かれには夢が多すぎた。
夢は呼び交す:――黙子覚書――
(新字新仮名)
/
蒲原有明
(著)
と、かたく信じていたものならば、なおさらのこと、その無限大の
微笑光
(
びしょうこう
)
をもって、かかる
文業
(
ふみわざ
)
も世の草々の
一穂
(
いっすい
)
と眺めやるに過ぎまい。
茶漬三略
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
その光のうちでも、藤吉郎の心の
奥所
(
おくが
)
まで
映
(
さ
)
した大きな光は、まだ
檜
(
ひのき
)
の板も新しい神棚の
一穂
(
いっすい
)
の
神灯
(
みあかし
)
であった。また、次の間の仏壇の
灯
(
あかり
)
であった。
新書太閤記:03 第三分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
▼ もっと見る
皆、その
一穂
(
いっすい
)
を仰いだ。母堂の心のつつまれている白い物と、
榊葉
(
さかきば
)
の青さとが、何か、
清々
(
すがすが
)
しいものを人の胸へ
映
(
うつ
)
した。
新書太閤記:09 第九分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
太子は、それを、まだ真の闇だった若い惨心
一穂
(
いっすい
)
の灯となって、暗示して下すった第一のお方だった。後の苦難にたえた力は、その時の灯りの力である。
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
寂
(
じゃく
)
として——庵室のうちは静かなのである——ただ
短檠
(
たんけい
)
の
一穂
(
いっすい
)
の灯が、そこの
蔀簾
(
しとみすだれ
)
のうちで夜風に揺れていた。
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
そして、
素
(
す
)
むしろか、何かを敷いて、一脚の机と、
一穂
(
いっすい
)
の寒燈を照し、あの五輪書を、書いたという。
随筆 宮本武蔵
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
晩になると、こまかい雨になり、明朝はここを立つのかと思うと、師直師泰も、さすが心はおだやかでなく、剃りこぼった頭を寒げに、
一穂
(
いっすい
)
の灯を無口に見合っていた。
私本太平記:13 黒白帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
二十余年のあいだ、雨や風に、法勝寺の山荘も荒るるにまかせてあり、その当時の司権者であった平氏の一族が亡んでもまだ、ここには、
一穂
(
いっすい
)
の法燈も
点
(
つ
)
かずにあった。
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
一穂
(
いっすい
)
の燭を横にして、凝視を
相交
(
あいか
)
わしていることも、依然であった。
新書太閤記:07 第七分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
一穂
(
いっすい
)
の
灯
(
ひ
)
は、いつか
有明
(
ありあ
)
けめいている。
私本太平記:06 八荒帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
一穂
(
いっすい
)
の
灯
(
ひ
)
私本太平記:06 八荒帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
“一穂”の意味
《名詞》
一本の穂。
穂のように立ち上る一本の灯火やけむり。
(出典:Wiktionary)
一
常用漢字
小1
部首:⼀
1画
穂
常用漢字
中学
部首:⽲
15画
“一”で始まる語句
一
一人
一寸
一言
一時
一昨日
一日
一度
一所
一瞥