“一瀬(ひとせ)” の例文
一瀬(ひとせ)を低(ひく)い瀧(たき)に颯(さつ)と碎(くだ)いて、爽(さわや)かに落(お)ちて流(なが)るゝ、桂川(かつらがは)の溪流(けいりう)を、石疊(いしだたみ)で堰(せ)いた水(みづ)の上(うへ)を堰(せき)の其(そ)の半(なか)ばまで、足駄穿(あしだばき)で渡(わた)つて出(で)て、貸浴衣(かしゆかた)の尻(しり)からげ。
雨ふり (旧字旧仮名) / 泉鏡花、泉鏡太郎(著)
棹(さお)ふれし筏(いかだ)は一瀬(ひとせ)過ぎながらなほ影なびく山吹の花
人々に答ふ (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
一瀬(ひとせ)造(つく)れる件(くだん)の石(いし)に、はた其(そ)の桂(かつら)の枝(えだ)まつはりたるに、衣(ころも)の裾(すそ)を卷(ま)き込(こ)まれ、辛(から)くも其(そ)の身(み)をせき留(と)めつ。
妙齢 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
洪(どっ)とそれ一瀬(ひとせ)になって打着(ぶッつか)ると、あんたの内のこの楓の樹が根こぎになって、どんぶりこと浮き出いてからに、宅(うち)の、大黒柱に突き当ったので、それがために動き出いて
照葉狂言 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)