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いつさつ
石橋と
私との
此時の
憤慨と
云ふ者は
非常であつた、
何故に
山田が
鼎足の
盟を
背いたかと
云ふに、
之より
先山田は
金港堂から
夏木立と
題する
一冊を出版しました、
是が
大喝采で
歓迎されたのです
是非一読して
批評をしてくれと言つて百五六中
枚も有る
一冊の
草稿を
私に見せたのでありました、
其の小説はアルフレツド
大王の
事蹟を
仕組んだもので
文章は
馬琴を
学んで、実に
好く出来て
居て
一冊の本を三四十人して見るのでは
一人一日としても
一月余かゝるので、これでは
奈何もならぬと
云ふので、
機も
熟したのであるから、
印行して
頒布する事に
為たいと
云ふ
説が
我々三名の
間に
起つた