“らんこう”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
闌更43.8%
卵甲6.3%
卵膠6.3%
卵黄6.3%
嵐光6.3%
欄鉤6.3%
濫交6.3%
濫口6.3%
濫行6.3%
藍紅6.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
それはたしか闌更らんこうの句であったかと記憶します。
俳句の作りよう (新字新仮名) / 高浜虚子(著)
最後に彼女はくしこうがいを示して、「これ卵甲らんこうよ。本当の鼈甲べっこうじゃないんだって。本当の鼈甲は高過ぎるからおやめにしたんですって」
行人 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
卵膠らんこう』と云って子供だまし、卵とにかわで製したものさ、上から撫でるから取れないのさ。捕り物道具のその中では、秘伝にも行かないつまらない物だよ
任侠二刀流 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
白羊羅紗はくようらしゃの角を折った范陽帽子はんようぼうしには、薔薇ばら色のふさをひらめかせ、髪締めとしている紺の兜巾ときんにも卵黄らんこうの帯飾りをつけている。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
路傍に石級せききゅうあり。そのいただきに寺の門立ちたり。石級の傍別に道を開きて登るにやすからしむ。登れば一望たちまち曠然として、牛込赤城うしごめあかぎ嵐光らんこう人家を隔てて翠色すいしょくしたたらむとす。
礫川徜徉記 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
「素面欄鉤らんこうニ倚リ、嬌声外頭がいとうニ出ヅ、若シ是織女ニ非ズンバ、何ゾ必シモ牽牛ヲ問ハン」
岷山の隠士 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
「おまえは交游天下にあまねしというありさまだが、皆濫交らんこうだ。ただ一人患難かんなんを共にする人があるのに、かえって知らないのだ。」
田七郎 (新字新仮名) / 蒲 松齢(著)
濫口らんこうまで退去して、ここの要害にろうと布陣していると、四方から焼打ちをうけて、またも進退きわまってしまったので、袁尚はついに、降伏して出た。曹操は快くゆるして
三国志:06 孔明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
伝右衛門は、こう云う前置きをして、それから、内蔵助が濫行らんこうを尽した一年前の逸聞いつぶんを、長々としゃべり出した。高尾たかお愛宕あたごの紅葉狩も、佯狂ようきょうの彼には、どのくらいつらかった事であろう。
或日の大石内蔵助 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
もう此時このときは、ひと御神輿おみこしかつぐのでない。龍頭りうとうまた鷁首げきしゆにして、碧丹へきたん藍紅らんこういろどれる樓船やかたぶねなす御神輿おみこしはうが、いますれいとともに、ひとなみおもふまゝるのである。
祭のこと (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)