“ぶいき”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
不意気55.6%
不粋16.7%
無意気16.7%
不意氣5.6%
無粋5.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
蘭堂という筆名ははなは不意気ぶいきだけれど、彼はまだ三十歳の青年作家で、作家仲間でも評判の美丈夫びじょうぶであったから、この種の誘惑には度々たびたび出会っている仕合者しあわせものだ。
恐怖王 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
まだその上に若旦那は色の黒い、骨の太い、江戸の人とは受取れないような、頑丈な不粋ぶいきな男振で、まるで若いお内儀さんとは比べ物にならなかった。
黄八丈の小袖 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
欲には酌人しゃくにんがちと無意気ぶいきと思いがおに、しかし愉快らしく、さいのおすみの顔じろりと見て、まず三四杯かたぶくるところに、おんなて来し新聞の号外ランプの光にてらし見つ。
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)
つゆすくないのを、百間堀ひやくけんぼりあられふ。田螺たにしおもつたら目球めだまだと、おなかくなり。百間堀ひやくけんぼりしろほりにて、意氣いき不意氣ぶいきも、身投みなげおほき、ひるさびしきところなりしが、埋立うめたてたればいまはなし。電車でんしやとほる。
寸情風土記 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
あんなに無粋ぶいき肩幅かたはばのある人とは思わなかった。あんなに角張かくばったあごの所有者とは思わなかった。君の風丰ふうぼうはどこからどこまで四角である。頭まで四角に感じられたから今考えるとおかしい。
長谷川君と余 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)