無意気ぶいき)” の例文
わし無意気ぶいきもので芸者を買ったことはないが、手前に恩にかける訳ではないが、牛屋の雁木で心中する処を助けて、海老屋へ連れて来て顔を見たのが初めてゞ
業平文治漂流奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
欲には酌人しゃくにんがちと無意気ぶいきと思いがおに、しかし愉快らしく、さいのおすみの顔じろりと見て、まず三四杯かたぶくるところに、おんなて来し新聞の号外ランプの光にてらし見つ。
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)
二人とも綿めんの交つた黒の毛糸の無意気ぶいき襟巻えりまきを首に巻付けて、ふるい旧い流行後れの黒の中高帽を冠つて(学生で中高帽などを冠つて居るものは今でも少い)それで、そばで聞いては
重右衛門の最後 (新字旧仮名) / 田山花袋(著)