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びしやう
雪吹の人を
殺す事大方右に
類す。
暖地の人花の
散に
比て
美賞する
雪吹と其
異こと、
潮干に
遊びて
楽と
洪濤に
溺て
苦との
如し。雪国の
難義暖地の人おもひはかるべし。
江戸には雪の
降ざる年もあれば、初雪はことさらに
美賞し、雪見の
船に
哥妓を
携へ、雪の
茶の
湯に
賓客を
招き、
青楼は雪を
居続の
媒となし、
酒亭は雪を
来客の
嘉瑞となす。
此時艦頭に
立てる
武村兵曹は、
右鬢に
微傷を
受けて、
流るゝ
血汐の
兩眼に
入るを、
拳に
拂つて、キツと
見渡す
海の
面、
電光の
如く
近づき
來つた
海底戰鬪艇は