“ひるなか”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
昼中71.4%
日中14.3%
午中9.5%
晝中4.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
されば、山屋敷の内部では、仲間ちゅうげんやこんな娘までが、同心の目を盗んで、昼中ひるなか牡丹ぼたん畑の霜よけにかくれて、甘い恋など囁こうというものでしょう。
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
奥山の秋のことですから、日中ひるなかとは違いましてめっきり寒い。山気は襲いかかって人のせなかをぞくぞくさせる。見れば樹葉きのはれる月の光が幹を伝って、流れるように地に落ちておりました。
藁草履 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
午中ひるなか三時間許りの間は、夏の最中もなかにも劣らぬ暑気で、澄みきつた空からはそよとの風も吹いて来ず、素足の娘共は、日に焼けたこいしの熱いのを避けて、軒下の土の湿りを歩くのであるが
天鵞絨 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
一歩いちぶに、のかはをかれたために、最惜いとしや、おあき繼母まゝはゝには手酷てひど折檻せつかんける、垣根かきねそとしたで、晝中ひるなかおびいたわ、と村中むらぢう是沙汰これざたは、わかをんな堪忍たへしのばれるはぢではない。
一席話 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)