日中ひるなか)” の例文
近習たちも皆見た。ちょう日中ひるなかで、しかも空は晴れて居た。——はだきぬもうつくしく蓑虫みのむしがぶらりと雲からさがつたやうな女ばかりで、に何も見えなかつた。
妖魔の辻占 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
奥山の秋のことですから、日中ひるなかとは違いましてめっきり寒い。山気は襲いかかって人のせなかをぞくぞくさせる。見れば樹葉きのはれる月の光が幹を伝って、流れるように地に落ちておりました。
藁草履 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
日中ひるなかの三味線の音が、乾燥はしゃいだ町の空気を通して、静かに響いて来た。
家:02 (下) (新字新仮名) / 島崎藤村(著)