“ひとさか”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
一坂50.0%
一盛50.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「ほんの蝋燭おてらしだ、旦那だんな。」さて、もつと難場なんばとしたのは、山下やました踏切ふみきりところが、一坂ひとさかすべらうとするいきほひを、わざ線路せんろはゞめて、ゆつくりと強請ねだりかゝる。
麻を刈る (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
一坂ひとさか戻って、段々にちょっと区劃くぎりのある、すぐに手を立てたように石坂がまた急になる、平面な処で、銀杏いちょうの葉はまだ浅し、もみえのきこずえは遠し、たてに取るべき蔭もなしに
売色鴨南蛮 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
かへで 「若楓わかかへで茶色になるも一盛ひとさかり」——ほんたうにひと盛りですね。もう今は世間並みに唯水水しい鶸色ひわいろです。おや、障子しやうじがともりました。
続野人生計事 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
いまだと早速さつそく千匹屋せんびきやへでもおろしさうなものを、川柳せんりうふ、(地女ぢをんなりもかへらぬ一盛ひとさかり)それ、意氣いきさかんなるや、縁日えんにち唐黍たうきびつてかじつても、うちつたすもゝなんかひはしない。
春着 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)