“ながし”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
56.7%
16.7%
流槽10.0%
洗塲3.3%
洗槽3.3%
洗流3.3%
流場3.3%
流罪3.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
我が越後にも化石渓あり、魚沼郡うをぬまこほり小出こいでざい羽川はかはといふたに水へかひこくさりたるをながししが一夜にして石にくわしたりと友人いうじん葵亭翁きていをうがかたられき。
金太郎氏の息ながし両氏がすでに名声さくさく、しかも九郎翁はなお流儀の不安を語るので、私が「先生は名人として左右に立派な両門弟を控えておられるから御安心ではありませんか」
明治世相百話 (新字新仮名) / 山本笑月(著)
そこは行詰に釜のかかったへっついがあり流槽ながしがあって、右側に板縁つきのへやがあったが、その縁側は肆の者が朝夕腰をかけて食事をする処であった。
春心 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
貫一が入れば、ぢきに上るとひとし洗塲ながし片隅かたすみに寄りて、色白きそびら此方こなたに向けたり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
部屋の隅の瀬戸物の洗槽ながしに水道の龍頭から滴る水音だけがさやかに聞えた。病院の患者や看護婦の騷がしさも、研究部にある彼れの實驗室の戸の内には押よせて來なかつた。
実験室 (旧字旧仮名) / 有島武郎(著)
裏店うらだな洗流ながしの日かげ
邪宗門 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
炊事場の棚をつけなおし、落葉でつまっていたといを掃除して、清水しみず流場ながしへ流れこむようにした。雑草のなかに倒れていたドアをひきおこし、骨を折ってこれを入口にとりつけた。
キャラコさん:04 女の手 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
電車が万世橋めがねの交叉点を素直まっすぐに貫いても、鷲は翼を納めぬので、さてはこのまま隅田川おおかわ流罪ながしものか、軽くて本所から東京の外へ追放になろうも知れぬ。
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)