“とうぜん”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
陶然50.0%
当然16.7%
東漸16.7%
蕩然5.6%
當然3.7%
嗒然1.9%
当前1.9%
洞然1.9%
鬧然1.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
八郎は雪代の酌を受けて、恭(うやうや)しく頂いた——その癖酌を受けたのは今ばかりではない、もういい加減酔っている。実は私も陶然(とうぜん)としていた。
卵塔場の天女 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
したから、このくらいの天罰(てんばつ)は当然(とうぜん)です。だが、死ぬまえにほんのわずかのあいだでも、善心(ぜんしん)にたちかえることができたのはぼくの一生のうちの幸福です
少年連盟 (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)
私は画の方は心得がないから、何(なん)とも申しかねるが、あれは仏国の現代の風潮が東漸(とうぜん)した結果ではないでしょうか。とにかく、画でも詩でも文でも構わない。
文芸の哲学的基礎 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
黄口少年、乳臭いまだ乾かず、わずかに数巻の西籍を読み、生呑活剥(せいどんかっぱく)、儼然(げんぜん)学者をもっておるものあり、利をむさぼりてあくなきものあり。節義の風、廉恥の俗、蕩然(とうぜん)地をはらう。
かような状態(じようたい)にある土地(とち)に於(おい)て、從來(じゆうらい)の温泉(おんせん)は湧出量(ゆうしゆつりよう)が増(ま)したり、隨(したが)つて温度(おんど)も上(のぼ)ることあるは當然(とうぜん)である。
火山の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
しかも巽斎はその詩文にさへ、妄(みだり)に才力を弄(ろう)さうとしない。たとひ応酬の義理は欠いても、唯好句の嗒然(とうぜん)と懐に入る至楽を守つてゐる。
僻見 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
それは無論であるが、時と場所とで、自(おの)ずから制限されるのもまた当前(とうぜん)である。英国人のかいた山水(さんすい)に明るいものは一つもない。
草枕 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
祠(ほこら)の内は床板(ゆかいた)もなく洞然(とうぜん)として、六尺ばかり掘り下げてある。
鳴門秘帖:01 上方の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
イヤイー、イヤイーと呼ぶ牛方の声援が起こると、もう四周の崖の上は、雑然鬧然(とうぜん)として興奮した。ウワーというどよめきが白髪神社を埋める杉の大樹の森を揺すった。
越後の闘牛 (新字新仮名) / 佐藤垢石(著)