“じょうち”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
情痴52.0%
浄地16.0%
城池8.0%
城地4.0%
上地4.0%
上知4.0%
上智4.0%
情知4.0%
情致4.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
東京新聞のY先生(なぜなら彼は僕のの師匠だから)が現れての話でも、世間ではもっぱら情痴じょうち作家とってますが、御感想いかが、と言う。
余はベンメイす (新字新仮名) / 坂口安吾(著)
心情しんじょうはさもあること。しかしまだそのまえに、しんとしての役目がいくらものこされてある。都田川みやこだがわにかけられた御首級みしるしをうばって、浄地じょうちへおかくし申すこと。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
城池じょうちの中にいると万一の際、のがれる道もないからだった。
新書太閤記:04 第四分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そのほうの手柄てがらは忘れはおかぬぞ。この宝物に伊那丸の首をそえてさしだせば、いかにけちな家康いえやすでも、一万ごくや二万ごく城地じょうちは、いやでも加増するであろう。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「このうえは、とりでにのこる兵をあげて、小勢こぜいながら裾野すそのへくだり、怨敵おんてき家康いえやす城地じょうちへ、さいごの一戦を」
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
此方こっちの説が決したばかりで、その屋敷は他人の屋敷であるから、これを手に入れるには東京府に頼み、政府から島原しまばら藩に上地じょうちを命じて、改めて福澤に貸渡すとう趣向にしなければならぬ。
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
国に帰るもあれば方々ほうぼうに行くもあるとうようなけで、学生は次第々々にすくなくなると同時に、今まで私のすんで居た鉄砲洲てっぽうず奥平おくだいらやしきは、外国人の居留地になるので幕府から上地じょうちを命ぜられ
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
彼はさらに江戸、大坂十里四方を上知じょうちせしめて、以て幕府の直轄に帰し、以て万一の変に備えんと欲せり。
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
彼はこれに加うるに各地に散在する諸侯及び旗本の飛地を一処にまとめ、以て武備機関の統制を整調せんと欲せり。しこうしてこれらの上知じょうちことごとく彼らの高免地たかめんちを以て、幕府の薄免地に交換すべしと命ぜり。
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
格別上智じょうちのものの申し候には、今般英仏とシナとの戦争長続きはあるまじき由、候えばイギリス使節はほどなく御当地へ参り申すべく候。
夜明け前:03 第二部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
伊勢山田奉行の大岡忠右衛門と申すは情知じょうち兼ねそなわった名判官はんがんである。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
人はかかる言草いいぐさを耳にせばただち栄耀えいようの餅の皮といひつべし。されど芸術を味ひ楽しむ心はもと貧富の別に関せず。深刻の情致じょうちは何事によらずかへつて富者の知らざる処なり。
矢はずぐさ (新字旧仮名) / 永井荷風(著)