浄地じょうち)” の例文
しかも今度こんどわたくし修行場しゅぎょうばは、やま修行場しゅぎょうばよりも一だんかくたか浄地じょうちで、そこにはたいそうお立派りっぱな一たい竜神様りゅうじんさましずまってられたのでした。
心情しんじょうはさもあること。しかしまだそのまえに、しんとしての役目がいくらものこされてある。都田川みやこだがわにかけられた御首級みしるしをうばって、浄地じょうちへおかくし申すこと。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
血を見せてはならぬのり浄地じょうちおしえの霊場なのです。——いくたびか抜きかかった小柄こづかを押え押えて、必死と黒い影を追いました。今十歩、今十歩と、思われたとき、残念でした。無念でした。
「誰か、この浄地じょうちに女を隠している者があるのではないか」
源頼朝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)