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しよせつ
取にがしては
殘念であらうと
人の
愁ひを
串談に
思ふものもあり、
諸説みだれて
取止めたる
事なけれど、
恨は
長し
人魂か
何かしらず
筋を
引く
光り
物のお
寺の
山といふ
小高き
處より
石棒なるものは抑
何の用に
供せしものか、
諸説有りと雖も何れも
堅固なる
根據を有せず。
さて
獣はまへにもいへるごとく、
初雪を見て山つたひに雪浅き国へ
去る、しかれども
行后れて雪になやむもあればこれを
狩る事あり。
しかるに
初雪の
後十月のころまでにこの
二条の
小流雪の
為に
降埋られ、流水は雪の下にあり、
故に
家毎に
汲べき
程に雪を
穿て
水用を弁ず。
余が
隣宿六日町の俳友天吉老人の
話に、
妻有庄にあそびし
頃聞しに、
千隈川の
辺の
雅人、
初雪より(天保五年をいふ)十二月廿五日までの
間