“しせき”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:シセキ
語句割合
咫尺82.1%
矢石10.5%
指斥2.1%
四隻1.1%
歯石1.1%
死籍1.1%
紫石1.1%
躓石1.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
互に咫尺しせきする間に、溝のように凹まった峡谷は、重々しい鉛色の空であるから、まだ一時半というのに、黄昏のように、うす暗い。
白峰山脈縦断記 (新字新仮名) / 小島烏水(著)
最後の一隊二百人こそはいわゆる真個しんこの主戦隊であって、盛んに山上から矢石しせきを飛ばせ、敵をして山上へ近付けしめない。
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
草蘆をたたいて俳句を談ず。その標準は誤り、その嗜好しこうは俗に、称揚する所の句と指斥しせきする所の句と多くは彼此ひし顛倒てんとうせり。予曰く、の言ふ所、ことごとく予の感ずる所と相反す。
俳句の初歩 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
海賊船かいぞくせん此時このとき砲戰ほうせんもどかしとやおもひけん、なかにも目立めだ三隻さんせき四隻しせき一度いちど船首せんしゆそろへて、疾風しつぷう迅雷じんらい突喚とつくわんきたる、劍戟けんげきひかりきらめその甲板かんぱんには、衝突しやうとつとも本艦ほんかん乘移のりうつらんず海賊かいぞくども身構みがまへ
歯石しせきはづす 夜のしろさに
(新字旧仮名) / 高祖保(著)
が、楽翁の養女と称して、野の花からこの家の庭へ移し植えられて来た者は、おおやけにも、すでに死籍しせきの人とされていたお燕であった。
大岡越前 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「泣きなさんな、こんな道ばたでよ。まさか兄さんがこの紫石しせき街に来ていようとは思わなかった。何か清河県の生まれ故郷に、まずいことでもあったんですかえ」
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
之れ即ち恋愛の本性と相背反する第一点なり、すべて恋愛はかくの如き者ならず、粋道は恋愛道に対する躓石しせきならんかし。近く人口に鱠炙くわいしやする文里のはなしの如き、尤も此説を固からしむるに足る可し。