“さけめ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
裂目89.3%
劈痕3.6%
3.6%
罅間3.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
丁度ちやうどわたしみぎはに、朽木くちきのやうにつて、ぬましづんで、裂目さけめ燕子花かきつばたかげし、やぶれたそこ中空なかぞらくも往來ゆききする小舟こぶねかたちえました。
人魚の祠 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
いずれ趣致おもむきなきはなけれど、ここのはそれらとはさまかわりて、巌という巌にはあるが習いなる劈痕さけめ皺裂ひびりほとんどなくして、光るというにはあらざれど底におのずからうるおいを含みたる美しさ
知々夫紀行 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
黄金こがねの外はいづこにもさけめ生じて涙したゝり、あつまりてかのいはやを穿ち 一一二—一一四
神曲:01 地獄 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
市郎は蝋燭を岩の罅間さけめに立てて、一先ひとまず父の亡骸なきがらを抱きおこしたが、脈はうに切れて、身体は全く冷えていた。しかし一通り見た所では、何処どこにも致命傷らしいきずの痕は無かった。
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)