罅間さけめ)” の例文
市郎は蝋燭を岩の罅間さけめに立てて、一先ひとまず父の亡骸なきがらを抱きおこしたが、脈はうに切れて、身体は全く冷えていた。しかし一通り見た所では、何処どこにも致命傷らしいきずの痕は無かった。
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)