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さくらじま
但し
櫻島はかういふ
大噴火を
百年或は
二三百年の
間隔を
以て
繰返すので、
隨つて
鎔岩の
流出量も
多く、
前回の
場合は
一・
六立方粁と
計算せられてゐるが
かくて
櫻島は
毎回多量の
鎔岩を
出すので
島の
大きさも
次第に
増して
行くが、
今回は
東側に
出た
鎔岩が
遂に
瀬戸海峽を
埋め、
櫻島をして
大隅の
一半島たらしめるに
至つた。
もし
櫻島のように
四合目邊りから
裂け
目を
作り
始め、そこから
鎔岩を
流す
慣例を
持つてゐるものならば、
其裂け
目を
完全にするために、
先づ
土砂を
吹き
飛ばす
等の
働きをする。
火に燃ゆる
桜島を後にし、右手に
開聞ヶ
岳の美しい姿が眼に入りますと、船は早くも広々とした
海原に指しかかります。