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ごをん
千葉は
御恩のあたゝかく、
口に
數々のお
禮は
言はねども、
氣の
弱き
男なれば
涙さへさしぐまれて、
仲働きの
福に
頼みてお
禮しかるべくと
言ひたるに、
渡り
者の
口車よく
廻りて、
斯樣/\しか/″\で
と
何ぞにつけて
戀しければ
子の
身では
如何ばかり
心ぼそくも
悲しくも
有らうなれど
及ばずながら
私しは
力になる
心姉と
思ふてよと
頼むは
可笑しけれど
歳上なれば
其約束ぞ
何時も/\
云ふことながら
私しは
眞實の
同胞と
思ひますと
慰められて
嬉しげに
御縁あればこそ
親どもばかりか
私しまでめぐり
廻つて
又の
御恩海とも
山とも
口には