“御恩(ごをん)” の例文
千葉(ちば)は御恩(ごをん)のあたゝかく、口(くち)に數々(かず/\)のお禮(れい)は言(い)はねども、氣(き)の弱(よわ)き男(をとこ)なれば涙(なみだ)さへさしぐまれて、仲働(なかはたら)きの福(ふく)に頼(たの)みてお禮(れい)しかるべくと言(い)ひたるに、渡(わた)り者(もの)の口車(くちぐるま)よく廻(まは)りて、斯樣(かやう)/\しか/″\で
われから (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
と何(なに)ぞにつけて戀(こひ)しければ子(こ)の身(み)では如何(いか)ばかり心(こゝろ)ぼそくも悲(かな)しくも有(あ)らうなれど及(およ)ばずながら私(わた)しは力(ちから)になる心(こゝろ)姉(あね)と思(おも)ふてよと頼(たの)むは可笑(をか)しけれど歳上(としうへ)なれば其約束(そのやくそく)ぞ何時(いつ)も/\云(い)ふことながら私(わた)しは眞實(ほん)の同胞(はらから)と思(おも)ひますと慰(なぐさ)められて嬉(うれ)しげに御縁(ごえん)あればこそ親(おや)どもばかりか私(わた)しまでめぐり廻(めぐ)つて又(また)の御恩(ごをん)海(うみ)とも山(やま)とも口(くち)には
五月雨 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)