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こえい
嶺あり、
天を
遮り、
關あり、
地を
鎖し、
馬前まず、——
馬前まず。——
孤影雪に
碎けて
濛々たる
中に、
唯見れば
一簇の
雲の
霏々として
薄く
紅なるあり。
風に
漂うて
横ざまに
吹き
到る。
日は
暮れぬ。
是れ永楽帝の
懼れ
憂うるところたらずんばあらず。
鄭和の
艦を
泛めて遠航し、
胡濙の
仙を
索めて遍歴せる、密旨を
啣むところあるが如し。
建文
未だ死せず、従臣の
中、
道衍金忠の輩の如き策士あって、西北の
胡兵を借るあらば、天下の事知る可からざるなり。
鄭和胡濙の
出づるある、
徒爾ならんや。
又
給事中胡濙と
内侍朱祥とが、永楽中に
荒徼を遍歴して数年に及びしは、巻二百九十九に見ゆ。