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ぐわいぶん
中々大人は知らん
処へ
御来臨のない事は
存じて
居りましたが、一
度にても先生の
御入来がないと
朋友の
前も
実に
外聞悪く思ひます所から、
御無礼を
顧みず
再度書面を
差上げましたが
二時三時恥も
外聞も
親には
換へられたものならず
恁う
成ると、
最う
外聞なんぞ
構つては
居られない。
魅まれたか
誑されたか、
山路を
夢中で
歩行いた
事を
言出すと、
皆まで
恥を
言はぬ
内に……
其の
若い
男が
半分で
合点したんです。