“かいり”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:カイリ
語句割合
乖離47.8%
26.1%
海里6.5%
海狸6.5%
海浬4.3%
平均速度二十六浬2.2%
怪狸2.2%
懷裡2.2%
睽離2.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
……あの面相にしてからが、典型的な悖徳狂の型モーラル・インサニティ・タイプで、ああいう乖離かいり性素質のものこそ、こういう傾向的犯罪を犯しやすいんです。
犂氏の友情 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
船は八、九百トン、まさに一時間十一、二かいりを走っている。少年らは手に手に銃をとって連発しては、また歓呼かんこの声をあげた。
少年連盟 (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)
種子島の西南三二海里かいり、面積は五○○平方キロ、島形は、円くほとんど出入なき水平的肢節。島の中央には、九州地方第一の高山、宮の浦岳、一九三五メートルそびえる。
浮雲 (新字旧仮名) / 林芙美子(著)
牡動物が牝の心をくために身から出だす麝香じゃこう霊猫れいびょう香、海狸かいり香、がく香等を、今も半開未開の民が強勢の媚薬と尊重し、欧米人も興奮剤として香飾にしばしば入れるに異ならず。
それが他方へ廻転してゆくとき、何か神秘的に、長く、遠く白銀色の光茫こうぼうを何海浬かいりもサッと引いた。
蟹工船 (新字新仮名) / 小林多喜二(著)
乗客の数は一等五百六十三人、二等四百六十一人、三等千百三十八人、試運転の平均速度二十六浬かいり三である。
話の種 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
惜しい事に向うは月中げっちゅう嫦娥じょうがを驚ろかし、君は古沼ふるぬま怪狸かいりにおどろかされたので、きわどいところで滑稽こっけいと崇高の大差を来たした。さぞ遺憾いかんだろう
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
佛人フツジンごとくに輕佻けいてふうごやすきにあらず、默念焦慮もくねんせうりよして毒刄どくじん懷裡かいりたくはふるは、じつ露人ロジン險惡けんあくなる性質せいしつなり。
罪と罰(内田不知庵訳) (旧字旧仮名) / 北村透谷(著)
諸王は合同の勢あり、帝は孤立の状あり。嗚呼ああ、諸王も疑い、帝も疑う、相疑うや何ぞ睽離かいりせざらん。帝も戒め、諸王も戒む、相戒むるや何ぞ疎隔そかくせざらん。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)