“えんとつ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
煙突66.4%
煙筒15.9%
烟突14.2%
烟筒2.7%
煤突0.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
コック部屋の裏には煙突えんとつが一本。そこにはまた労働者が二人せっせとシャベルを動かしている。カンテラを一つともしたまま。……
浅草公園:或シナリオ (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
岸本は自分の乗って来た二本煙筒えんとつの汽船が波止場近くに碇泊ていはくしているのをその高い位置から下瞰みおろして、実にはるばると旅して来たことを思った。
新生 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
その内側にぴったり寄り添って空気抜けの烟突えんとつがついていたが、この高さは、周囲の壁よりもずっと低く、五十センチぐらいしかなかった。
街の探偵 (新字新仮名) / 海野十三(著)
噸數とんすう一千とんくらゐ二本にほん烟筒えんとつ二本にほんマストその下甲板げかんぱんには大砲たいほう小銃等せうじうとうめるにやあらん。いぶかしきまで船脚ふなあしふかしづんでえたそのふねが、いま闇黒あんこくなる波浪なみうへ朦朧ぼんやりみとめられたのである。
此のけむりほこりとで、新しい東京は年毎としごとすゝけて行く。そして人もにごる。つい眼前めのまへにも湯屋ゆや煤突えんとつがノロ/\と黄色い煙を噴出してゐた。
平民の娘 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)