鬼怒川きぬがは)” の例文
しかそのもつとおそれをいだくべき金錢きんせん問題もんだいそのこゝろ抑制よくせいするには勘次かんじあまりにあわてゝかつおどろいてた。醫者いしや鬼怒川きぬがはえてひがしる。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
自分は初めてこの路を通つたのであるが、こゝに差掛かると同時に、これが鬼怒川きぬがはの中岩であるなと心付いて車を止めさせた。
華厳滝 (旧字旧仮名) / 幸田露伴(著)
中でも、日光の山水を持つた大谷だいや川の谷と鹽原の勝を持つた箒川はうきがはの谷とが一番世に知られてゐる。しかし、この他に鬼怒川きぬがはの大きな溪谷のあることを忘れてはならない。
日光 (旧字旧仮名) / 田山花袋(著)
勘次かんじはしつて鬼怒川きぬがはきしつたとききりが一ぱいりて、みづかれ足許あしもとから二三げんさきえるのみであつた。きしにはふねつないでなかつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
これに引かへて、鬼怒川きぬがは方面は大分開けた。今市いまいちから中岩橋、藤原、あそこいらには電車がある。
行つて見たいところ (新字旧仮名) / 田山花袋田山録弥(著)
「さういつちやおまへあねのことわるくばかりいふやうだが、しうと鬼怒川きぬがはちてんだなんて大騷おほさわぎしたことがつたつけねえ」
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)