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たかき
いづれの家にても雪は家よりも
高ゆゑ、春を
迎る時にいたればこゝろよく
日光を引んために、
明をとる処の
窗に
遮る雪を他処へ
取除るなり。
未明食事を
終りて出立し又
水流を
溯る、無数の瀑布を
経過して五千五百呎の
高に至れば水流
全く
尽き、源泉は
岩罅より
混々として出で
来る
いづれの家にても雪は家よりも
高ゆゑ、春を
迎る時にいたればこゝろよく
日光を引んために、
明をとる処の
窗に
遮る雪を他処へ
取除るなり。
さてこゝを
去て
例の
細道をたどり、
高にのぼり
低に
下り、よほどの
途をへてやうやく
三倉村にいたれり、こゝには
人家三
軒あり、
今朝見玉村より
用意したる
弁当をひらかばやとあるいへに入りしに