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頷付
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うなづ
ふりがな文庫
“
頷付
(
うなづ
)” の例文
「えゝ、ありがたう。」と礼のしるしにと
頷付
(
うなづ
)
く拍子に黄楊の櫛の落ちたのを取つて、結髪をかき、「白井さん、葡萄酒は。」
来訪者
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
「
成程
(
なるほど
)
。」と
蘿月
(
らげつ
)
は
頷付
(
うなづ
)
いて、「さういふ事なら
打捨
(
うつちや
)
つても置けまい。もう何年になるかな、
親爺
(
おやぢ
)
が死んでから………。」
すみだ川
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
「えゝ。」と
頷付
(
うなづ
)
いて、「僕は時々一人で飮みに行くです。時々妙に淋しくなつて仕樣がないですから。」
新帰朝者日記
(旧字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
長吉
(
ちやうきち
)
は
唯
(
た
)
だ首を
頷付
(
うなづ
)
かせて、
何処
(
どこ
)
と
当
(
あて
)
もなしに遠くを
眺
(
なが
)
めてゐた。
引汐
(
ひきしほ
)
の
堀割
(
ほりわり
)
に
繋
(
つな
)
いだ
土船
(
つちぶね
)
からは
人足
(
にんそく
)
が二三人して
堤
(
つゝみ
)
の
向
(
むか
)
うの
製造場
(
せいざうば
)
へと
頻
(
しきり
)
に土を運んでゐる。
すみだ川
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
男
(
をとこ
)
は
道子
(
みちこ
)
が
口
(
くち
)
から
出
(
で
)
まかせに
何
(
なに
)
を
言
(
い
)
ふのかといふやうな
顔
(
かほ
)
をして、ウム/\と
頷付
(
うなづ
)
きながら、
重
(
おも
)
さうな
折革包
(
をりかばん
)
を
右
(
みぎ
)
と
左
(
ひだり
)
に
持
(
も
)
ちかへつゝ、
手
(
て
)
を
引
(
ひ
)
かれて
橋
(
はし
)
をわたつた。
吾妻橋
(新字旧仮名)
/
永井荷風
、
永井壮吉
(著)
▼ もっと見る
流水は
頷付
(
うなづ
)
いたのみで別に答へはせず更に新しい卷煙草に火をつけて居た。自分は其の儘眠りたいと思つて横になつたまゝ暫く眼を閉ぢて見たが、矢張り眠られない。
新帰朝者日記
(旧字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
長吉
(
ちやうきち
)
は
丁度
(
ちやうど
)
茶を飲みかけた
処
(
ところ
)
なので、
頷付
(
うなづ
)
いたまゝ、口に出して返事はしなかつた。
すみだ川
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
「
然
(
しか
)
り」と
頷付
(
うなづ
)
く初めての声。あゝ
其
(
そ
)
の響はいかに。
珊瑚集:仏蘭西近代抒情詩選
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
自分は默つて
頷付
(
うなづ
)
いてゐた。
新帰朝者日記
(旧字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
頷
漢検1級
部首:⾴
16画
付
常用漢字
小4
部首:⼈
5画
“頷”で始まる語句
頷
頷首
頷聯
頷垂
頷紐
頷脚