“土船”の読み方と例文
読み方割合
つちぶね100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
長吉ちやうきちだ首を頷付うなづかせて、何処どこあてもなしに遠くをながめてゐた。引汐ひきしほ堀割ほりわりつないだ土船つちぶねからは人足にんそくが二三人してつゝみむかうの製造場せいざうばへとしきりに土を運んでゐる。
すみだ川 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
港にある船はもとより何百艘で、一本マスト、二本マストの帆前船、または五大力ごだいりきの大船から、達磨船だるまぶね土船つちぶね猪牙船ちょきぶねなぞの小さなものに至るまで、あるいは動き、あるいは碇泊ていはくしていた。
夜明け前:03 第二部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
長吉はだ首を頷付かせて、何処どこあてもなしに遠くを眺めていた。引汐の堀割につないだ土船つちぶねからは人足にんそくが二、三人して堤の向うの製造場へとしきりに土を運んでいる。
すみだ川 (新字新仮名) / 永井荷風(著)