“達磨船”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
だるません50.0%
だるまぶね50.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
僕は隅田川の川口に立ち、帆前船ほまへせん達磨船だるませんの集まつたのを見ながら今更のやうに今日の日本に何の表現も受けてゐない「生活の詩」を感じずにはゐられなかつた。
今日こんにちまで吾々が年久しく見馴れて来た品川の海はわづか房州通ぼうしうがよひの蒸汽船とまるツこい達磨船だるません曳動ひきうごかす曳船の往来するほか、東京なる大都会の繁栄とは直接にさしたる関係もない泥海どろうみである。
水 附渡船 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
最後に川の上を通る船も今では小蒸汽こじようき達磨船だるまぶねである。五大力ごだいりき高瀬船たかせぶね伝馬てんま荷足にたり田船たぶねなどといふ大小の和船も何時いつにか流転るてんの力に押し流されたのであらう。
本所両国 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
港にある船はもとより何百艘で、一本マスト、二本マストの帆前船、または五大力ごだいりきの大船から、達磨船だるまぶね土船つちぶね猪牙船ちょきぶねなぞの小さなものに至るまで、あるいは動き、あるいは碇泊ていはくしていた。
夜明け前:03 第二部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)