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ぼうさい
ふりがな文庫
“
防寨
(
ぼうさい
)” の例文
薩軍の
池辺
(
いけべ
)
吉
(
きち
)
十
郎
(
ろう
)
は、試みに、
勧降状
(
かんこうじょう
)
を矢にむすんで、諸所の
防寨
(
ぼうさい
)
に射込ませてみたが、ひとりの城兵も、降伏して出て来なかった。
日本名婦伝:谷干城夫人
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
場所の要害はその努力にふさわしいものであり、
防寨
(
ぼうさい
)
はバスティーユの牢獄の消えうせた場所に出現して恥ずかしくないものであった。
レ・ミゼラブル:08 第五部 ジャン・ヴァルジャン
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
パリーのもろもろの革命の古い伝統によって、
防寨
(
ぼうさい
)
が一つ作られた。街路の舗石はめくられ、ガス燈はねじ曲げられ、樹木は倒され、一台の乗合馬車がくつがえされた。
ジャン・クリストフ:11 第九巻 燃ゆる荊
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
防寨
(
ぼうさい
)
の五十人の男は、やってきてからその時まで十六時間のうちに、居酒屋にあったわずかな食物をすぐに食いつくしてしまった。
レ・ミゼラブル:08 第五部 ジャン・ヴァルジャン
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
よしややって来ても、海上には北条家の船手が船列をしいて見張っているし、
岬
(
みさき
)
の突端から前浜へかけては、幾多の
防寨
(
ぼうさい
)
が築かれてもいる。
私本太平記:08 新田帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
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それら革命の偉大な
防寨
(
ぼうさい
)
は、勇壮の集中する所であった。異常なこともそこでは当然だった。勇士らはそれを互いに驚きはしなかった。
レ・ミゼラブル:08 第五部 ジャン・ヴァルジャン
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
これは
堅田
(
かただ
)
から石山あたりに、いまなお
蠢動
(
しゅんどう
)
している僧門内の、反信長勢力を
駆逐
(
くちく
)
し、途中の諸処に構築中の木戸
防寨
(
ぼうさい
)
などを
撃砕
(
げきさい
)
してゆくものだった。
新書太閤記:04 第四分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
もしその以前に男の様子をうかがったら、彼が特別の注意をもって
防寨
(
ぼうさい
)
の中や暴徒らの間を観察してるのが見られたはずである。
レ・ミゼラブル:07 第四部 叙情詩と叙事詩 プリューメ街の恋歌とサン・ドゥニ街の戦歌
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
短兵急に押しよせた張飛も、
蓑虫
(
みのむし
)
のように出てこない敵には手の下しようもなく、毎日、
防寨
(
ぼうさい
)
の下へ行っては
三国志:05 臣道の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
村の入り口には
防寨
(
ぼうさい
)
が施された。しかしながら、プロシアの
霰弾
(
さんだん
)
の第一の連発によって、全軍は再び敗走をはじめ、ロボーは捕虜になった。
レ・ミゼラブル:05 第二部 コゼット
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
中腹、山上にかけて、十数ヵ所の
嶮
(
けん
)
に
防寨
(
ぼうさい
)
をかまえていた山徒の守りを突破して、全山を
翔
(
か
)
けまわった織田軍の兵は、火を放って、烈風に
喊声
(
かんせい
)
を
嗄
(
か
)
らした。
新書太閤記:04 第四分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
その翌日マヴォーは、メニルモンタン街の
防寨
(
ぼうさい
)
で死んだ。プルトーという男は、同様に戦死したのであるが、その時マヴォーを助けていた。
レ・ミゼラブル:07 第四部 叙情詩と叙事詩 プリューメ街の恋歌とサン・ドゥニ街の戦歌
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
その極楽寺坂は、
岬
(
みさき
)
の山の横腹を中断した
開鑿
(
かいさく
)
道路で、両がわ木も草もない岩壁だった。そのうえ前面の極楽寺川、針摺橋に二段陣地の
防寨
(
ぼうさい
)
を構築していた。
私本太平記:08 新田帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
アンジョーラとクールフェーラックとコンブフェールとは、「
防寨
(
ぼうさい
)
へ!」と叫んでバソンピエール街の方から進んだ人々のうちにはいった。
レ・ミゼラブル:07 第四部 叙情詩と叙事詩 プリューメ街の恋歌とサン・ドゥニ街の戦歌
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
渭水
(
いすい
)
の流れも
堰
(
せ
)
かれるほど、魏の軍馬はいちどに浅瀬へ馳け入った。一ヵ所や二ヵ所ではない。蜀軍はもちろん
逆茂木
(
さかもぎ
)
を引き、要所要所は
防寨
(
ぼうさい
)
で固めている。
三国志:11 五丈原の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
ニヴェルおよびジュナップから行く両道をさえぎっている二つの
防寨
(
ぼうさい
)
のほかには、何らの障害もないというのであった。
レ・ミゼラブル:05 第二部 コゼット
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
そして、その返辞のように、
堅田
(
かただ
)
や石山方面の——京にはいる通路へ木戸や
防寨
(
ぼうさい
)
を築いていたものである。
新書太閤記:04 第四分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
と、どよめき立ち、厳白虎の弟
厳与
(
げんよ
)
は、
楓橋
(
ふうきょう
)
(江蘇省・蘇州附近)まで兵を出して
防寨
(
ぼうさい
)
に
拠
(
よ
)
った。
三国志:04 草莽の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
モン・サン・ジャンの村を奪取すれば、直ちにそこに
防寨
(
ぼうさい
)
を施すことに定められていた第一軍団の工兵中隊が前を通る時、戦いの結果に確信ある彼は微笑をもってそれを励ました。
レ・ミゼラブル:05 第二部 コゼット
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
佐々は、時なるかな、わが生涯の大事——とばかり、越中一国をあげて、これを
防寨
(
ぼうさい
)
に堅めた。
新書太閤記:11 第十一分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
俺たちはこれから
瀘水
(
ろすい
)
の向う岸に移り、あの大河を前にして、うんと頑丈な
防寨
(
ぼうさい
)
を築こう。
三国志:10 出師の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
けれど、にわか造りの
防寨
(
ぼうさい
)
なので、風雨にも耐えられないし、兵糧や水にも困りぬいた。
三国志:06 孔明の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
と、鷺山へ向って、
防寨
(
ぼうさい
)
を堅固にし、一戦をも辞していない。
新書太閤記:01 第一分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
それは、敵の
防寨
(
ぼうさい
)
の背後へまわって忍ぶ潜兵らしかった。
三国志:05 臣道の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「防備があるのか。かたい
防寨
(
ぼうさい
)
でもきずいてあるのか」
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「何という厳しさだ。あの
蜿蜒
(
えんえん
)
たる
防寨
(
ぼうさい
)
は」
三国志:10 出師の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
“防寨”の意味
《名詞》
敵からの侵入や攻撃を防ぐための要塞。
(出典:Wiktionary)
防
常用漢字
小5
部首:⾩
7画
寨
漢検1級
部首:⼧
14画
“防”で始まる語句
防禦
防
防空壕
防人
防遏
防柵
防塞
防毒面
防寒靴
防腐法