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錆槍
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さびやり
ふりがな文庫
“
錆槍
(
さびやり
)” の例文
ぜひなく刀を押取って主膳の後ろ、或いはその左右から応援に出かけました。
錆槍
(
さびやり
)
を借りて横合より突っかける者もありました。
大菩薩峠:16 道庵と鯔八の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
そして、いざ天下の合戦となると、これが皆、一かどの
錆槍
(
さびやり
)
とボロ
鎧
(
よろい
)
をかついで、陣借りして、真人間に生き
甦
(
かえ
)
るのだ。
宮本武蔵:06 空の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
合図をすると、二本の
錆槍
(
さびやり
)
が、小三郎の胸のあたりでピタリと交されました。一瞬の間、万事終るでしょう。
銭形平次捕物控:105 刑場の花嫁
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
錆槍
(
さびやり
)
で人が突けぬような事では役にたゝんぞ、
仮令
(
たとえ
)
向うに一
寸幅
(
すんはゞ
)
の
鉄板
(
てついた
)
があろうとも、
此方
(
こちら
)
の腕さえ
確
(
たしか
)
ならプツリッと突き抜ける訳のものだ、錆ていようが
丸刃
(
まるは
)
であろうが
怪談牡丹灯籠:04 怪談牡丹灯籠
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
袖がらみ、
錆槍
(
さびやり
)
、そのほか種ヶ島の鉄砲など、中世紀の武器遺物が飾ってあるのを尻目にかけて、二階に上り、雲に包まれた富士と向き合って、ボソボソした冷飯を、味のない刺身で二杯かッ込み
不尽の高根
(新字新仮名)
/
小島烏水
(著)
▼ もっと見る
空っ風に、鼻を赤くして、のりの悪い
白粉
(
おしろい
)
を厚くつけた女が、町中を走り歩いた。若衆は、
錆槍
(
さびやり
)
だの、棒だのをもって、役所の表に立った。太鼓が万一の為に用意されて、近藤の家の軒に釣るされた。
近藤勇と科学
(新字新仮名)
/
直木三十五
(著)
どこへ
需要
(
じゅよう
)
されてゆくのか、古道具屋の
塵
(
ちり
)
に
埋
(
うずま
)
ったまま永年一朱か一
歩
(
ぶ
)
でも買手のなかった鈍刀や
錆槍
(
さびやり
)
までが、またたく間に影を潜めてしまった。
新編忠臣蔵
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
合圖をすると、二本の
錆槍
(
さびやり
)
が、小三郎の胸のあたりでピタリと交されました。一瞬の間、万事終るでせう。
銭形平次捕物控:105 刑場の花嫁
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
猟師は、そこでふたたび
錆槍
(
さびやり
)
をかつぎ出しました。
大菩薩峠:23 他生の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
と一声、
錆槍
(
さびやり
)
の
穂先
(
ほさき
)
で、いきなり真上の
天井板
(
てんじょういた
)
を突いた。とたんに、屋根裏を
獣
(
けもの
)
がかけまわるような、すさまじい音が、ドタドタドタ
響
(
ひび
)
きまわった。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
さすが
伊賀衆
(
いがしゅう
)
の
三羽烏
(
さんばがらす
)
、
菊池半助
(
きくちはんすけ
)
も、
可児才蔵
(
かにさいぞう
)
にみやぶられて、
錆槍
(
さびやり
)
の
穂先
(
ほさき
)
を
膝
(
ひざ
)
にうけ、そのうえ、投げ
縄
(
なわ
)
にかかって五体の自由を
奪
(
うば
)
われては、どうすることもできない。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
それは俺も、自分が
錆槍
(
さびやり
)
で
抉
(
えぐ
)
られるよりも辛く考えているのだが、
捕縄十手
(
ほじょうじって
)
は飽くまで正大公明でなければならぬ。いわば、神の裁罰に代って人間がお預りしているものだ。
牢獄の花嫁
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
古鎧
(
ふるよろい
)
に
錆槍
(
さびやり
)
一筋
(
ひとすじ
)
持って駈けつけ参りました、
微衷
(
びちゅう
)
をおくみとり下さって、籠城の一員にお加えねがいとうござる。
烏滸
(
おこ
)
ながら一死を以て、亡君の御恩にお
応
(
こた
)
え申したいので……
新編忠臣蔵
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「
婆
(
ばばあ
)
、
杖
(
つえ
)
にして飛びこむから、
長押
(
なげし
)
にかかっているその
錆槍
(
さびやり
)
を、かしてくれい」
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
一族を
亡
(
な
)
くして、その身も、刑吏の
錆槍
(
さびやり
)
でえぐられたに違いありますまい。
鳴門秘帖:06 鳴門の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
錆
漢検準1級
部首:⾦
16画
槍
漢検準1級
部首:⽊
14画
“錆”で始まる語句
錆
錆刀
錆色
錆釘
錆声
錆着
錆附
錆腐
錆付
錆味