あは)” の例文
願ひ上ますと慇懃いんぎんに申ければ下役人點頭うなづきいや夫は案じるな囚人めしうどは大切に致さねばならぬことはかみからも再應さいおうふれの有儀なり併し今あはせた事は他へ云まいぞと徐々そろ/\九助を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
こめし櫻山めぐふもとに風かほる時は卯月うづきの末の空花の藤枝ふぢえだはや過て岡部に續く宇都うつの山つたの細道十團子とほだんご夢かうつゝにも人にもあはぬ宇都の谷と彼の能因のういんが昔を今にふりも變らぬ梅若葉鞠子まりこの宿を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
致せとてあはせられ其せつ委細ゐさいうけたまはりし儀にて既に御所刑も獄門ごくもんとか申事なれば只今頃九助は何なりましたか何卒して助けつかはし度此段ひとへに願ひ奉つると如何にも火急くわきふ歎願たんぐわんに聞ゆれども未だ盡さゞる所あるにより縫殿頭殿はなほねん
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)