跡先あとさき)” の例文
一トことこゝろまることのあれば跡先あとさき其者そのもの可愛かわゆう、車夫しやふ茂助もすけ一人子ひとりこ與太郎よたらうに、此新年このはる旦那だんなさまめしおろしの斜子なゝこ羽織はをりつかはされしもふかくの理由わけことなり
われから (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
かくて傳吉は小娘に誘引いざなはある家に入て見ればはしらまがりてたふのきかたぶき屋根おちていかにも貧家ひんかの有樣なれば傳吉は跡先あとさき見回し今更立ち出んも如何と見合ける中に小娘はたらひ温湯ぬるゆ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
また真の闇の跡先あとさきなしさ。
旦那だんなさま愚痴ぐち僻見ひがみ跡先あとさきなきことなるを思召おぼしめし悋氣りんきよりぞと可笑をかしくも有ける。
われから (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)