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賦与
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ふよ
ふりがな文庫
“
賦与
(
ふよ
)” の例文
しかし爪先で立っているということが、この下肢の直線にきわめて動的な、デリケートな、他に類例のない感じを
賦与
(
ふよ
)
しているのである。
日本精神史研究
(新字新仮名)
/
和辻哲郎
(著)
まずその手段の一として会計検査院なるものに大なる権力を
賦与
(
ふよ
)
して、政治機関運転の原動力たる会計の検査を厳密にせば
東洋学人を懐う
(新字新仮名)
/
大隈重信
(著)
世間を思わせるほど博士に価値を
賦与
(
ふよ
)
したならば、学問は少数の博士の専有物となって、僅かな学者的貴族が、学権を
掌握
(
しょうあく
)
し尽すに至ると共に
博士問題の成行
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
そしてこれに関してはキリストの復活、その永生
賦与
(
ふよ
)
の約束等確実なる証拠を提供し得るのである。これキリスト以後に生れし我らの幸福である。
ヨブ記講演
(新字新仮名)
/
内村鑑三
(著)
彼は偉大なのらくら者、
悒鬱
(
ゆううつ
)
な野心家、華美な
薄倖児
(
はっこうじ
)
である。彼を絶えず照した怠惰の青い太陽は、天が彼に
賦与
(
ふよ
)
した才能の半ばを蒸発させ、
蚕食
(
さんしょく
)
した。
虚構の春
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
▼ もっと見る
ところがこの生物は、理性と意志を
賦与
(
ふよ
)
された精霊だった。で、それにとりつかれた人々は、たちまち
憑
(
つ
)
きものがしたようになり、発狂するのであった。
罪と罰
(新字新仮名)
/
フィヨードル・ミハイロヴィチ・ドストエフスキー
(著)
あの袈裟の魂といつたやうな台詞に新らしさを
賦与
(
ふよ
)
したつもりでゐるのであらうが、私の読んで受けた感じは、却つてそのために芝居が小さく、理屈つぽく
三月の創作
(新字旧仮名)
/
田山花袋
、
田山録弥
(著)
彼女はすべての優しさと、女らしい性質とを
賦与
(
ふよ
)
されていた。彼女は最も崇拝にあたいする女性であった。彼女は確かに高尚な勇壮な愛を持つことができた。
世界怪談名作集:08 ラッパチーニの娘 アウペパンの作から
(新字新仮名)
/
ナサニエル・ホーソーン
(著)
電子をそういう「実在」と思い込んでしまえば、それにいろいろな物性を
賦与
(
ふよ
)
するのも自然の勢いである。
比較科学論
(新字新仮名)
/
中谷宇吉郎
(著)
粘土から人間を創造し、それに生命と幸福を
賦与
(
ふよ
)
せんがため天より火を盗んだかどでコーカサスの山の岩壁に鉄鎖で
縛
(
いまし
)
められ、荒鷲に内蔵を
啄
(
ついば
)
まれながら苦悩に堪えた英雄。
死せる魂:01 または チチコフの遍歴 第一部 第一分冊
(新字新仮名)
/
ニコライ・ゴーゴリ
(著)
賑かな世間から不意に
韜晦
(
とうかい
)
して、行動を
唯
(
ただ
)
徒
(
いたず
)
らに秘密にして見るだけでも、すでに一種のミステリアスな、ロマンチックな色彩を自分の生活に
賦与
(
ふよ
)
することが出来ると思った。
秘密
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
希望と平安の根源を
賦与
(
ふよ
)
する力として、真の宗教はこれを信ずる価値があるのである。
キリスト教入門
(新字新仮名)
/
矢内原忠雄
(著)
どんなに、小さくとも、また、名がなくとも、純粋で、美しかったら、正しかったら、天地の間に、何ものかの力を
賦与
(
ふよ
)
している。また、何ものの力をもってしても、
何
(
ど
)
うすることもできない。
名もなき草
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
厳然として
賦与
(
ふよ
)
されているものに、親もまた同様のものをもって、おごそかに
相対
(
あいたい
)
するところに、われわれの肉の愛も、人の知恵をもってする教育も清められて、本当のものにされてゆきます。
おさなご
(新字新仮名)
/
羽仁もと子
(著)
奔放
(
ほんぽう
)
な即興に高い芸術性を
賦与
(
ふよ
)
することはショパンの
独壇場
(
どくだんじょう
)
だ。
楽聖物語
(新字新仮名)
/
野村胡堂
、
野村あらえびす
(著)
彼女は
癇癪
(
かんしゃく
)
の強い、向こう見ずな、顔の浅黒い、気短かな女でなみなみならぬ腕力を
賦与
(
ふよ
)
されていた。
カラマゾフの兄弟:01 上
(新字新仮名)
/
フィヨードル・ミハイロヴィチ・ドストエフスキー
(著)
従って彼が、これを本意とする文芸に対して、哲理の世界及び道徳の世界のほかに、独立せる一つの世界を
賦与
(
ふよ
)
したことは、時代を
抽
(
ぬき
)
んずる非常な卓見と言わなくてはならぬ。
日本精神史研究
(新字新仮名)
/
和辻哲郎
(著)
加うるに選挙権を
賦与
(
ふよ
)
するの標準を財産に置くことを改めなければならぬ。
選挙人に与う
(新字新仮名)
/
大隈重信
(著)
染まるべからざるものに染つて行く可能性を
賦与
(
ふよ
)
した自然は? 絶対に自己のものにする事の出来ないものを自己のものとなし得る可能性を賦与した自然は? 満されたる心の飽満から生ずる
倦怠
(
けんたい
)
ある僧の奇蹟
(新字旧仮名)
/
田山花袋
(著)
国家の公民として一定の土地の自主的な耕作権を
賦与
(
ふよ
)
されることになった。
日本精神史研究
(新字新仮名)
/
和辻哲郎
(著)
それができるのは、戒律を課した当の長老あるのみだ、とのことであった。こういう次第で、長老というものはある一定の場合において、限りのない、不可思議な権力を
賦与
(
ふよ
)
せられているのである。
カラマゾフの兄弟:01 上
(新字新仮名)
/
フィヨードル・ミハイロヴィチ・ドストエフスキー
(著)
“賦与”の意味
《名詞》
生まれつき備わっていること。
分け与えること。
(出典:Wiktionary)
賦
常用漢字
中学
部首:⾙
15画
与
常用漢字
中学
部首:⼀
3画
“賦”で始まる語句
賦
賦役
賦課
賦税
賦金
賦枳
賦物
賦稟
賦算
賦一絶