諸聲もろごゑ)” の例文
新字:諸声
やす消光おくらす可し是にて一件落着らくちやくしたりと述給ふ程に小役人は落着らくちやく一同立ませいと諸聲もろごゑあはして言にける實にくもりなき裁判さいばんは人を損せず理を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
れよと即坐そくざはさみりて女子おなごづれは切拔きりぬきにかゝる、をとこは三五らうなか仁和賀にわかのさらひ、北廓ほくくわく全盛ぜんせいわたせば、のき提燈ちようちん電氣燈でんきとう、いつもにぎはふ五てうまち、と諸聲もろごゑをかしくはやしつるに
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
我目に見ゆるは、唯だ頭上の青空のみ。忽ち我等がめぐりに、人々の諸聲もろごゑに叫ぶを聞きつ。我等は彼方へおし遣られ、又此方へおし戻されき。こは一二頭の仗馬ぢやうめの物にぢて駈け出したるなり。
諸聲もろごゑの流行の小唄身にぞ染む船の汽笛の玻璃に鳴る時
吉井君の歌 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
妻は倦み兒等も疲れて諸聲もろごゑ
海潮音 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)