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ことづけ
ふりがな文庫
“
言伝
(
ことづけ
)” の例文
旧字:
言傳
「皆さん、どうか、お引取り下さい。とんだ御迷惑でした。それから町役人にそう言って、ここへ来るように
言伝
(
ことづけ
)
をお願いします」
銭形平次捕物控:020 朱塗の筐
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「あまり、有難くもないだろうが、死者の
由縁
(
ゆかり
)
の者が来たら、
言伝
(
ことづけ
)
てくれ。——逃げ隠れはせぬ、いつでも、御挨拶はうけるとな」
宮本武蔵:07 二天の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
言伝
(
ことづけ
)
でもあらばと思って、人を通して、電話で伝えさせた。小金も、その母親も、共に病床にあるということが、その時解った。
家:02 (下)
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
言伝
(
ことづけ
)
を言いにいってくれた娘があったが、後に吉原で
奴太夫
(
やっこたゆう
)
という名でつとめに出ているときかされたことがある。
旧聞日本橋:04 源泉小学校
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
「片原に、おっこち……こいつ、棚から
牡丹餅
(
ぼたもち
)
ときこえるか。——恋人でもあったら
言伝
(
ことづけ
)
を頼まれようかね。」
灯明之巻
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
▼ もっと見る
菊太郎君が逐一話して置いてくれた筈だけれど、僕は念を使って、律子さんに
言伝
(
ことづけ
)
を頼んだ。直接申入れるのが何となく怖かったのである。先頃で懲りている。
勝ち運負け運
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
実は己が余り
粗匆
(
そゝっか
)
しく聞て行たから悪かッたよ、折角内儀の
言伝
(
ことづけ
)
を
受
(
うけ
)
て、先の番地を忘れるとは
血の文字
(新字新仮名)
/
黒岩涙香
(著)
今の呑兵衛
老医
(
ドクトル
)
と、非番だった慶北丸の来島運転士を、その漁師に
言伝
(
ことづけ
)
て呼寄せると、この縁側で月を相手に一杯やりながら、心ばかりの弔意を表しているところだった。
爆弾太平記
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
こちらの太夫元へお
言伝
(
ことづけ
)
がありました、というのはほかじゃございません、こちらの小屋に出ておいでなさる茂太郎さんというのが、どうしたものやら、昨晩、
迷児
(
まよいご
)
になって
大菩薩峠:19 小名路の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
おれは、山川石亭の甥だが、ゴイゴロフといううんてれがんにちょっと
言伝
(
ことづけ
)
を
犂氏の友情
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
しかしこれだけは『市長』さんの
言伝
(
ことづけ
)
ですから、ちゃんとあんたに通じて置くけれど、警察ではあんたのことをしきりに探しているそうだから、注意をしていろだってさア。……聞いているのあんた。
深夜の市長
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
「明日もゆきます。お
言伝
(
ことづけ
)
があったら言って下さい。」
性に眼覚める頃
(新字新仮名)
/
室生犀星
(著)
「お艶どの、何か
言伝
(
ことづけ
)
はないかナ?」
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
その辻看板に、嵐粂吉という名を見たものですから、いつぞや
髪結
(
かみゆい
)
が
言伝
(
ことづけ
)
して来たことばを、胸に浮かべたものでしょう、次郎はふと
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
あの
娘
(
こ
)
の方から逢つて呉れろといふ
言伝
(
ことづけ
)
があつて——
尤
(
もつと
)
も、我輩もね、君の知つてる通り蓮華寺とは
彼様
(
あゝ
)
いふ訳だし、それに家内は家内だし、するからして
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
何でも郷里の人に両親から
言伝
(
ことづけ
)
た品物だとかで、例によって私が帰宅後に、病院に居残っていた彼女が受け取ったという話であったが、彼女が汗を流して
提
(
ひっさ
)
げて来た酒瓶と樽にはレッテルも何もなく
少女地獄
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
「分っております。失礼ながら、その御本心を買っていればこそ、あっしは自分の役目がらを忘れてまで、こうして万太郎様のお
言伝
(
ことづけ
)
を」
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「なんというても今お目にかかるのは金吾の苦痛じゃ、ただよしなにお
言伝
(
ことづけ
)
しておいてくれ、ある時節には、きっと、金吾がお詫びに参じますと——」
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「
夕景
(
ゆうけい
)
には戻られるであろう。戻った節にはお
言伝
(
ことづけ
)
いたしておく」
鳴門秘帖:02 江戸の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
『山科からの急なお
言伝
(
ことづけ
)
を、手わけして告げて歩いておる』
新編忠臣蔵
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
言
常用漢字
小2
部首:⾔
7画
伝
常用漢字
小4
部首:⼈
6画
“言”で始まる語句
言
言葉
言語
言下
言上
言草
言訳
言問
言出
言句